【はしたなきもの】~第百二十七段

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 はしたなきものこと人を呼ぶに、われぞとてさし出(い)でたる。物などとらするをりはいとど。おのづから人の上などうちいひそしりたるに、をさなき子どもの聞きとりて、その人のあるにいひ出でたる。

 
 あはれなることなど、人のいひ出で、うち泣きなどするに、げにいとあはれなりなど聞きながら、涙のつと出で来ぬ、いとはしたなし。泣き顔つくり、けしき異(こと)になせど、いとかひなし。めでたきことを見聞くには、まづただ出で来にぞ出でくる。
  
(現代語訳)
 
 きまりの悪いもの。他の人を呼んだのに、自分かと思って出しゃばった時。何かをくれるときは、いっそうきまりが悪い。何となく人の噂話などして悪く言ったことを、幼い子どもが聞き覚えていて、その人の前でしゃべってしまった時。
 
 悲しいことなどを人が話し出して、ふと泣いたりするのに、まことにたいそう可哀相だと思って聞いていながらも、涙がすぐに出てこないのは、ひどくきまりが悪い。泣き顔をつくり、悲しそうな顔つきをしてみても、全くかいがない。それとは反対にすばらしいことを見たり聞いたりして、真っ先に涙がやたらに出てくるのも困ったものだ。
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