布をクンクン、乳がん検知 犬使った画期的診断法

   仏オートビエンヌ県マニャックラバルで、乳がん検知犬を訓練する「Kドッグ」プロジェクトに参加する犬と研究者(2016年10月12日撮影)。

 
  犬は乳がんを患う女性の乳房に触れた布を正確に嗅ぎ分けられることを示した診断試験の結果が24日、発表された。奇抜だが将来性のある研究結果だ。
 
  実験に参加するジャーマンシェパード
 
 試験を行ったフランスのチーム「Kドッグ(KDog)」によると、ジャーマンシェパード2匹が、わずか半年間の訓練で乳がんを100%探知できるようになったという。この方法は簡単で体への影響もなく、安価に実施できることから、マンモグラフィー(乳房X線撮影)利用が困難な国々での乳がん診断に革命をもたらす可能性がある。
 
 試験は、優れた嗅覚を持つ犬は乳がん細胞が持つ独特のにおいを嗅ぎ分けられるとの仮定の下で行われた。チームは、31人の乳がん患者から、がんを患う乳房に当てた包帯のサンプルを収集。犬専門家の協力の下、ジャーマンシェパード2匹に、がん患者の乳房に当てられた包帯とそうでない包帯を嗅ぎ分けるよう訓練した。
 
 6か月間にわたる訓練の後、2匹は今年1月と2月に行われた試験に臨んだ。試験では、訓練で使用したものとは別の乳がん患者から集められた包帯31枚を使用。1度の実験につき乳がん患者の包帯1枚と、非患者女性の包帯3枚が用意された。1回目の実験で2匹はがん患者の包帯31枚中28枚を検知し、成功率は90%だった。だが成功率は2回目の実験で100%に上昇した。
 
 研究チームは次に、より多くの患者と別の犬2匹による臨床試験を行う予定だが、資金が不足している状態だという。
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