日语新闻:ユーロ プラス成長も懸念残る

EU=ヨーロッパ連合は、来年の経済見通しを発表し、単一通貨「ユーロ」の経済圏は、ことしに続きプラス成長となるものの、財政再建に取り組むアイルランドやポルトガルの国債が値下がりしていることから、今後も金融市場で緊張が高まる可能性があるとの懸念を示しました。

 

これは、EUの執行機関に当たるヨーロッパ委員会が29日、発表しました。この中で、来年から通貨ユーロを採用するエストニアを含めたヨーロッパ17か国の来年のGDP=域内総生産の伸び率は、ことしに比べて1.5%のプラス成長になる見通しです。ことしの伸び率の予測は1.7%で、来年と再来年もプラス成長が続くと分析しています。このうち、新興国向けの輸出が好調なドイツは国内需要も伸びて2.2%で、域内経済をけん引するほか、フランスも1.6%の成長を見込んでいます。これに対し、財政再建を進めるギリシャはマイナス3%、ポルトガルもマイナス1%と域内の格差が広がる形となっています。さらに、アイルランドやポルトガルの国債が値下がりしていることから、今後も金融市場で緊張が高まる可能性があるとの懸念を示しました。EUは、ギリシャに続きアイルランドにも金融支援に踏み切りましたが、EUで通貨問題を担当するレーン委員は「信頼を取り戻すためには財政再建を着実に進めるしかない」と述べ、信用不安の広がりを抑えるため各国に一層の努力を求めました。
 

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