第二十章:民間美術~こおろぎひょうたん細工

 こおろぎひょうたん細工も形は、ひょうたん型をしています。ひょうたんの実が成熟すると、収穫し、乾燥させます。こおろぎひょうたん細工は、ひょうたんの形によって、表面をけずる技法が異なります。細工の方法は2種類で、1つは細い線で彫刻していくものと、もうひとつは、花模様を付けるものがあります。細い線で彫刻していくものは、比較的に質のいいひょうたんを選びます。細い線で、精巧に細工を加えますが、その題材は戯曲の物語であったり、神話、伝説、動物、花、虫、魚などだったりします。細い彫刻刀で、流れるような線を彫っていきます。彫刻が終わると、普通は墨や窯の灰を塗りつけ、それが乾かないうちに、ふき取ります。そうすると、彫った部分だけ黒くなり、他の部分は、ひょうたんの原色のままになります。 

 
 花模様のひょうたん細工は、まず、ひょうたん全体を赤く染めます。それから、平たい彫刻刀で彫っていくと、白の豆腐の模様や花模様が現れ、とてもおしゃれです。ひょうたんの表面を彫ったら、てっぺんをナイフで開き、梅の花の形をしたふたを作ります。寒い時期には、その中にコオロギを入れて、飼います。時々聞こえるひょうたんの中のコオロギの鳴き声を心ゆくまで、楽しむことができます。 
 
 こおろぎひょうたん細工には、2種類あると言いましたが、彫刻のひょうたん細工は、細い線からなる人物が活き活きとしています。一方の花模様のひょうたん細工は、菊の花の模様がたいへんおしゃれです。
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