梨子世界 荣枯盛衰

▼スーパーの果物売り場の中央に「幸水」や「豊水」が鎮座する季節である。積み上げられた淡い色の球を見ると、食べてもいないのに、シャカシャカした食感が口内に広がる 

 
▼目前是“幸水”以及“丰水”这两种梨子稳坐超市水果卖场中央位置的季节。一看到这高高摞起的浅色圆球,即便不亲自品尝也会感到满嘴酥脆的口感。 
 
▼平成以降は幸水と豊水の隆盛が続いているが、ナシの歴史をひもとけば、戦国の世のごとき下克上の繰り返しである。江戸末期に有力だったのは「淡雪(あわゆき)」。明治に入ると「太平」「幸蔵(こうぞう)」が台頭する。大正時代に一世を風靡(ふうび)したのは「長十郎(ちょうじゅうろう)」。おなじみ「二十世紀」は戦後昭和の覇者である 
 
▼平成之后幸水与丰水这两个品种持续保持着旺销势头。不过,翻开梨子的历史你就会发现,活脱脱如战国时代,以下克上的局面反复出现。早在江户时代,强而有力的品种是“淡雪”。进入明治年间,“太平”“幸藏”后来居上。而进入了大正时代之后,风靡天下的则是“长十郎”。另有世人尽知的“二十世纪”则是战后昭和的霸主。
 
▼「ナシは品種の改良がとても盛ん。いったん王者になっても栄華は続きません」と農研機構(茨城県つくば市)でナシ育成を担当する斎藤寿広(としひろ)さん(52)。人工授粉など手間をどこまで省けるか、天候不順に強いか、病害に耐えられるか。それらが勢力図を変えていくという 
 
▼“梨子品种的改良特别盛行,即便一时成了王者,其显赫的名声并不会持久”,在农业研究机构负责梨子培育工作的斋藤寿广先生(52岁)如是说。诸如,人工授粉等方面能节省多少时间?抵御异常气候的能力强不强?耐不耐病害?等等,据说,这些方面的表现直接改变着它们的势力指标图。 
 
▼近年のナシはより甘く、より酸味を抑え、より柔らかい方向へ改良されてきた。その代表例とされるのが夏場の幸水、秋口の豊水である。系統上は親子にあたり、全国の栽培面積の実に65%を占める 
 
▼近年来的梨子在抑制其甜度、酸味的同时朝着更柔软的方向进行改良。其代表实例就是夏季上市的幸水和秋季上市的丰水。就系统而言,它们是亲子关系。更令人叹为观止的是它们竟然占据了全国栽培面积的65%。 
 
▼各地の園芸試験機関にとって幸水と豊水は仰ぎ見る王者であり、同時に倒すべき敵でもある。挑むべく斎藤さんたちが育てた品種が「なるみ」だ。授粉をしなくても安定して実が生(な)ることから命名した。順調に普及すれば、数年のうちに消費者の手に届くそうだ 
 
▼对于各地园艺试验机关而言,幸水和丰水就是高山仰止的王者,同时也是相互排斥的宿敌。有可能挑战它们地位的则是斋藤先生以及同仁们培育出的品种“无性果(NARUMI)”。由于该品种不用授粉也能保证结果,因此而得名。倘若普及工作一切顺利,那么数年之内据说就能够到达消费者手里。 
 
▼〈梨食めば梨の音して身の内に梨染み透るひとりの夜を〉美原凍子(みはらとうこ)。丸くみずみずしい実にぎゅっと凝縮された栄枯盛衰を想像した。 
 
▼<吃上一口大白梨,酥脆甘美人称奇,独坐楼台望明月,清香阵阵沁心脾>美原冻子创作。此时此刻不免浮想联翩,这圆圆的鲜美果实里想必凝聚着它荣枯盛衰的历史。
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