离别邂逅 春天一幕

 自然の春は悠々たる歩みで北をめざす。人間の春は、別れと出会いが交差する。きょうからあすにかけてが、その変わり目になる。別れの3月はあわただしく過ぎて、新たな出会いへと暦が一枚めくられる。

 
自然界中,春天踩着悠闲的步伐走向北方。而在人间,春天总是穿插着离别和邂逅。从今天到明天,世事变幻无常。分别的3月匆匆地走了。日历又将翻过一页,新的邂逅等候着我们。
 
15歳のHさん。小学時代から当欄あてに便りを送ってくれていた彼女から、笑顔のスナップ写真つきで、志望の高校に合格しましたと朗報が届いた。季節が明るく扉を開けていくこの時期に、新しい年度が始まるのはいいものだ。
 
说说15岁的H同学吧。她从小学开始就给本报写信,这次又收到她考入理想高中的喜报,同时寄来的还有她满脸笑容的照片。季节打开了一扇扇充满希望的大门,新的一年在此开始也是一桩美事。
 
されど順風をはらむ人ばかりではあるまい。望みに届かなかった受験生もあろう。勤め人なら辞令一枚で東へ西へ、春の列島を得意と失意が行き来する。赴任の切符を握っての悔し涙も、あるかもしれない。
 
但,世间并非总是一帆风顺。也有名落孙山的考生。上班的人,因为一纸调令而东奔西走,得意与失意交错在春天的列岛上。或许有人会捏着赴任的车票留下悔恨的泪水吧。
 
折しも花の季節、詩人杉山平一(へいいち)さんの「桜」という詩の一節が胸に浮かぶ。〈みんなが心に握つてゐる桃色の三等切符を/神様はしづかにお切りになる/ごらん はらはらと花びらが散る〉。言われて気づけば、小さな切れ込みのある桜の花びらは、神様がハサミを入れた切符のようでもある。
 
现在也是鲜花的季节,我想起诗人杉山平一先生所写的《樱》中的一段诗,“大家都紧紧捏着,神仙平等分下的桃色三等票;看,花儿四散落下”。因为这诗我才注意到,小小的带有裂口的樱花花瓣,确实像是神仙剪过的车票。
 
咲き満ちた桜の下では、だれもが等しく三等切符を心に握って、薄紅色の花を楽しむ。人生という旅を慰め、励ます桜に、分け隔てはないのだと、詩は優しくうたっている。
 
在满开的樱花树下,每个人的心中都持有这张三等的票,淡红色的花儿令人愉悦。樱花抚慰着人生,鼓励着人们,诗中抒发了这种真挚之情。
 
当コラムにも別れと出会いの春となる。紙上のささやかな敷地に昔ながらの表札を掲げて、日々大勢の方にお立ち寄りいただいた。ご愛読に深く感謝いたします。厳しくも温かい声を励みに、あすからは新しい言葉が刻まれます。
 
本栏也经历着理解和邂逅的春天。在小小的版面上写下一贯的联系方式,希望每天都能收到大家的来信。对大家的爱戴,本栏深表感谢。在或严格或温柔的鼓励声中,明天又将写下新的话语。
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