『日本を読む』 16

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一男君の将来

 
 ニューヨークにある日本の銀行で、田中さんという日本人が働いている。以前は東京で仕事をしていたが、五年前に銀行からニューヨークにいって仕事をしてくれ、と言われ、家族と一緒にニューヨークに来た。最近は英語も上手になり、ニューヨークという大都市にも慣れてきたが、現在子供の教育のことで、非常に困っている。一男君という十五才の息子さんがいて、もうすぐ彼の教育について、大きな決断を下さなければならないのだ。田中さんの家族が一男君の将来についてどういうふうに考えているか、一人一人の考えを詳しくみることにする。
 
 田中さんの考えは次のとおりだ。ーーー東京大学や京都大学のような一流の大学を出れば普通良い会社に入れるから、一男には日本の良い大学を出てほしいものだ。日本では、小さい時から子供によく勉強させないと、一流の大学に入学するのはほとんど無理だと言ってもいいほどだ。一男の場合、日本の学校で勉強していないという不利な点がある上に、アメリカでの生活が長く、日本語も少し忘れてきているようなので、日本に帰って高校に入り、一生懸命入学試験のための勉強をしてもらいたいーーーと考えている。
 
 しかし、一男君は田中さんと全く逆の考えを持っている。ーーーまず、自分は今、アメリカの生活に満足している。友達もたくさんできたし、学校も好きだから、これからもずっとアメリカで暮らしていきたい。又、お父さんを見てもわかるように、日本人はいつも仕事ばかりしていて、何のために生きているのかわからない。日本の一流大学を出て良い会社に入っても、仕事ばかりしているのだったら、つまらない。自分はそういう人間になりたくない。だから、東京大学などにぜひ入りたいとは思わない。できたら、アメリカの大学で自分の好きなことを自由に勉強してみたいーーーと思っている。
 
 田中さんの奥さんは、田中さんの考えも一男君の考えもどちらも良くわかる。ーーー今は家族が皆アメリカで生活しているが、いつかは日本に帰ることになるだろう。そうすると、一男は日本の社会で生きていかなければならない。日本の社会では、一流の大学に入学できるかできないかによって、良い会社に入れるかどうかが決まる。だから、日本に、なるべく早く帰って、一男に入学試験の勉強をしてもらいたい。しかし、同時に、一男が毎日楽しそうに生活しているのを見ると、このままアメリカで自由にしたいことをさせてやりたいとも思うし、やはり家族はみな一緒に暮らすべきだーーーとも思う。
 
 田中さんと同じ銀行に勤めている人で、一男君と同じくらいの年の息子さんを持った日本人が何人かいる。その人達の多くは、息子さんを日本に帰らせて、日本で勉強させているそうだ。田中さんは、自分も同じようにすべきだと思っているが、それが本当に一男君にとって一番良いことであるかどうか、まだはっきりわからない。
 
 
☆ 次の質問に答えなさい。
 
1 田中さんがニューヨークに来たのはどうしてですか。
 
2  田中さんはどうして一男君に日本に帰ってもらいたいんですか。
 
3 一男君の考えはどうですか。
 
4 田中さんの奥さんは一男君が日本に帰らなければいけないと思っていますか。
 
5 あなたが一男君だったら、どうしますか。
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