朝に就ての童話的構図

   苔いちめんに、霧がぽしゃぽしゃ降って、蟻の歩哨は、鉄の帽子のひさしの下から、するどいひとみであたりをにらみ、青く大きな羊歯の森の前をあちこち行ったり来たりしています。  向う...
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狼森と笊森、盗森

小岩井農場の北に、黒い松の森が四つあります。いちばん南が狼森で、その次が笊森、次は黒坂森、北のはずれは盗森です。  この森がいつごろどうしてできたのか、どうしてこんな奇体な名前がついたのか、それをいち...
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烏の北斗七星

   つめたいいじの悪い雲が、地べたにすれすれに垂れましたので、野はらは雪のあかりだか、日のあかりだか判らないようになりました。  烏の義勇艦隊は、その雲に圧しつけられて、しかたな...
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水仙月の四日

   雪婆んごは、遠くへ出かけて居りました。  猫のような耳をもち、ぼやぼやした灰いろの髪をした雪婆んごは、西の山脈の、ちぢれたぎらぎらの雲を越えて、遠くへでかけていたのです。  ...
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山男の四月

    山男は、金いろの眼を皿のようにし、せなかをかがめて、にしね山のひのき林のなかを、兎をねらってあるいていました。  ところが、兎はとれないで、山鳥がとれたのです。  それは山...
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かしわばやしの夜

   清作は、さあ日暮れだぞ、日暮れだぞと云いながら、稗の根もとにせっせと土をかけていました。  そのときはもう、銅づくりのお日さまが、南の山裾の群青いろをしたとこに落ちて、野はら...
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いちょうの実

    そらのてっぺんなんか冷たくて冷たくてまるでカチカチの灼きをかけた鋼です。  そして星が一杯です。けれども東の空はもう優しい桔梗の花びらのようにあやしい底光りをはじめました。...
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月夜のでんしんばしら

   ある晩、恭一はぞうりをはいて、すたすた鉄道線路の横の平らなところをあるいて居りました。  たしかにこれは罰金です。おまけにもし汽車がきて、窓から長い棒などが出ていたら、一ぺん...
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月夜のでんしんばしら

   ある晩、恭一はぞうりをはいて、すたすた鉄道線路の横の平らなところをあるいて居りました。  たしかにこれは罰金です。おまけにもし汽車がきて、窓から長い棒などが出ていたら、一ぺん...
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