小倉百人一首(91)

 91、

きりぎりす 鳴くや霜夜(しもよ)のさむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む
後京極摂政前太政大臣
 
【歌意】 こおろぎが鳴いている、この寒い霜の夜のむしろの上で?私は自分の着物の肩袖を敷いて、ひとりさびしく寝るというのか?
 
【作者】 (ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん) 1169~1206年 藤原良経(ふじわらのよしつね)。『新古今集』の仮名序を執筆。家集『秋篠月清集』がある。
 
【説明】 「さむしろ」は「さ筵」と「寒し」の掛詞。晩秋の哀れ深さを詠った。次の2首を本歌としている。「さむしろに衣片敷きこよひもやわれを待つらむ宇治の橋姫」(『古今集』巻14-689)、「あしひきの山鳥の尾のしだり尾の長々し夜をひとりかも寝む」(『拾遺集』巻13-778)。
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