小倉百人一首(11)

 11、

わたの原 八十島(やそしま)かけて 漕ぎいでぬと 人には告げよ あまの釣舟(つりぶね)
参議篁
 
【歌意】「私は海原はるかに数多くの島々をめざして漕ぎ出た」と、恋しい人に伝えておくれ、そこの釣り人たち。
 
【作者】 (さんぎたかむら) 802~852年 小野篁(おののたかむら)。小野妹子の子孫で、当時の第一級の学者だった。。838年、遣唐副使としての出発に際し、大使藤原常嗣と争い、官をとどめられ隠岐に流された。
 
【説明】 「わたの原」は広い大海原。「八十島」はたくさんの島。隠岐の国に流されるとき、あたりに出ていた漁船を見て呼びかけたもので、他にたよるもののない、やるせない心情が吐露されている。
 
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