第四章:外交~ ASEANと中国

  ASEANと中国 

 
 ASEAN・東南アジア諸国連合の前身は、1961年7月31日に発足した東南アジア連合である。1967年8月、インドネシア、タイ、シンガポール、フィリピン、マレーシアの5ヶ国は、タイのバンコクで会議を開き、『バンコク宣言』を発表し、正式にASEANの成立を発表した。その後、マレーシア、タイ、フィリピンの3ヶ国は、マレーシアの首都・クアラルンプールで閣僚級会議を開き、ASEANが東南アジア連合に取って代わることを決定した。 
 
 加盟国: 
 
 ASEAN加盟国はブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの10カ国である。 
 
 中国との関係: 
 
 中国は、すでに、ASEANの全ての加盟国と外交関係を樹立し、1996年に全面的な対話を行うASEANのパートナー国となった。 
 
 2000年11月25日に第4回中国・ASEAN「10+1」首脳会議がシンガポールで開催された。当時の朱鎔基首相が初めて中国・ASEAN自由貿易区の構想を提出した。 
 
 2002年11月4日に第6回ASEAN、中日韓「10+3」会議と第6回中国・ASEAN「10+1」首脳会議がカンボジアのプノンペンで行われ、「中国・ASEAN全面的経済協力枠組み協定」に調印し、2010年に中国・ASEAN自由貿易区の建設を完成することを決定した。 
 
 2003年10月、第7回中国・ASEAN「10+1」首脳会議がインドネシアのバリ島で行われた。中国は「東南アジア友好協力条約」への加盟を発表すると共に、ASEANと「平和と繁栄に向けた戦略パートナー関係」の構築に関する共同宣言に調印した。 
 
 2009年8月、中国とASEANは「中国・ASEAN自由貿易区投資協定」に調印した。これは中国・ASEAN自由貿易区協定の主な交渉が完了したことを意味している。 
 
 2010年1月1日、中国・ASEAN自由貿易区が正式に設立した。これは19億人をカバーし、GDP総額はおよそ6兆ドル、貿易総額は4.5兆ドルに達する発展途上国からなる最大の自由貿易区である。 
 
 2011年7月、中国の楊潔チ外相がインドネシアのバリ島で行われた中国・ASEAN「10+1」外相会議に出席した。会議では、「南海各方面行動宣言」を確実に実施する指導的方針を採択し、南海地域の実務的協力を推進する基礎を固めた。 
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