第四章:外交~2.中国の外交政策

 2.中国の外交政策 

 
 中国は独立自主の平和的外交政策を揺ぎなく堅持する。中国外交政策の基本目標は国家の独立、主権と領土保全を守り、改革開放と現代化建設に良好な国際環境を作り上げ、世界の平和を維持し、共通の発展を促進することである。   
 
 中国外交政策の主要な内容は次の通りである。 
 
 (1)独立自主の原則を終始履行し、如何なる大国或いは国家集団との同盟締結及び軍事集団の形成をせず、軍備競争に参加せず、軍事拡張を行わない。 
 
 (2)覇権主義に反対し、世界の平和を擁護する。大小、強弱、貧富を問わず、全ての国家は国際社会における平等な一員である。国家間の紛争と衝突は交渉を通じて平和的に解決すべきであり、武力による威嚇と武力行使はあり得ず、如何なる口実をもってしても他国への内政干渉をしない。 
 
 (3)公正かつ合理的な国際政治経済新秩序の確立を積極的に推進する。この確立は平和共存五原則とその他公認の国際関係の原則を基礎とすべきである。 
 
 (4)主権と領土保全の相互尊重、相互不可侵、相互内政不干渉、平等互恵、平和共存という五原則の下で全ての国と友好協力関係を確立し発展させる。 
 
 (5)全方位の対外開放政策を実施し、平等互恵の原則に基づいて世界各国・地域と広範な貿易往来、経済技術協力、科学文化交流を展開し、共同繁栄を促進する。 
 
 (6)多国間の外交活動に参与し、世界の平和と地域の安定を維持する確固とした力となる。 
 
 新中国が成立して50余年来、中国の外交政策は充実、調整、発展の段階を経てより健全となり、中国の特色ある外交スタイルを形成した。未来を展望すれば、世界の多極化と経済のグローバル化は進展し続け、国際関係は重要な調整を経ており、平和、協力、発展への追求は各国人民に共通した願望となっている。 
 
 21世紀に入って中国の外交はチャンスと試練の両方に直面し、我々は終始一貫して冷静を保ち、慎重、安全、緊急時の対処の意識を強め、世界情勢の全体的趨勢から周辺の国際環境を正確に認識・把握し、チャンスを逃さず、試練を受けて立ち、利点を生かし、弊害を避けるべきである。我々は鄧小平の外交思想を引き続き学び、中国共産党中央の指導の下で独立自主の平和的外交政策を真摯に貫き、外交活動の新しい局面を絶えず切り開き、社会主義現代化建設のためより良好な国際環境を構築し、世界の平和と発展に寄与する。 
 
 中国は引き続き平和、発展、協力とウィンウィンの旗印を掲げ、断固として世界の平和維持と共同発展の促進に取り組んでいく。また平和発展の道を揺ぎなく歩み続け、独立自主の平和的外交政策を堅持すると共に、協力を深め、世界経済の協力、持続可能かつバランスの取れた成長を促進していく。 
 
 中国は平和共存五原則を基に、各国との友好協力を全面的に発展させていく。先進諸国との関係を改善し、発展させ、長期的で、安定かつ健全な新型大国関係の発展を推進していく。「隣国を善となしパートナーとする」ことを堅持し、互恵協力を深めると共に、自らの発展成果によって周辺諸国に、より多くの利益をもたらすために努力していく。広範な発展途上国との団結・協力関係を強化し、共に発展途上国の正当な権益を守り、国際事務における発展途上国の代表性と発言権を支持し発展途上国の信頼できる真の友人となる。中国は多国間事務に積極的に参与し、国連やG20、上海協力機構、ブリックスなどの役割を支持し、国際秩序と体系が公正かつ合理的な方向へ発展していくことを推進していく。公共外交と人的交流を確実に推進すると同時に、海外の合法的権益を守る。また各国の政党や政治組織との友好的往来を行い、人民代表大会や政治協商会議、地方、民間団体の対外交流を強化し、対外関係発展の社会的基礎を固めていく。
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