第一章:国土・資源・人口~9、土地資源

 9、土地資源 

 
 中国の国土は広大であり、土地資源の類型は多様で、耕地・林地・草地・ゴビ沙漠・干潟などが分布している。しかし、山地が多く平野が少なく、耕地や林地が占める割合が少ない。各土地資源の分布は不均衡で、耕地は主に東部の平原地区と盆地地区に集中している。林地の大部分は東北や西南部の国境に沿った山間地区に集中している。草地は主に内陸の高原・山間地区に分布している。 
 
 ◆耕地: 
 
 中国には1億2100万ヘクタールの耕地がある。東部・西部・東部に分けると、耕地面積は東・西部には少なく、多くは中部地区に分布している。耕地は東北平原・華北平原・長江中下流平原・珠江デルタ地区・四川盆地に集中的に分布している。東北平原の大部分は肥沃な黒土地帯で、小麦・トウモロコシ・高粱・大豆・亜麻・ビートなどが栽培されている。華北平原の多くは褐色の土壤で、小麦・トウモロコシ・粟・高粱・綿花・落花生などが栽培されている。長江中下流平原では水稲・ミカン・アブラナの種子などが産出する。四川盆地では水稲・アブラナ・サトウキビ・茶・ミカン・ザボンなどがよく取れる。 
 
 ◆森林: 
 
 中国には現在1億9500万ヘクタールの森林があるが、森林被覆率は20.36%で森林が少なく、世界の平均と比べると大きく劣る。天然林は東北と西南地区に集中的に分布しており、人口の密度が高く経済が発達している東部平原および広々とした西北地区には非常に少ない。 
 
 中国の森林は樹木の種類が豊富で、珍しい貴重な樹木には銀杏・アケボノ杉などがある。環境を保全し経済建設の需要を満たすために、中国は大規模な植樹造林活動を持続的に展開している。現在、人工森林の面積は6000万ヘクタールに達し、人工森林の面積が世界一大きい国となっている。 
 
 中国の主要な森林地区:東北森林区=大興安嶺・小興安嶺・長白山地の森林区を含む東北森林区は中国最大の天然森林区である。 
 
 西南森林区=横断山区・ヒマラヤ山麓・ヤルツァンポ川湾曲部などの森林区を含む西南森林区は中国第二の天然森林区域である。 
 
 東南森林区=秦嶺から淮河の南、雲南貴州高原以東の広大な丘陵山区を含む東南森林区は中国で最も重要な人工森林地区である。 
 
 そのほか中国には広々とした防護林体系がある。例えば、東北・華北・西北地区をカバーする防護林は『世界の最大の生態プロジェクト』と呼ばれている。 
 
 ◆草地: 
 
 中国には4億ヘクタールの牧草地がある。世界で最も草原面積の大きい国の1つである。中国の天然草場は主に大興安嶺から陰山を通って青海チベット高原へと続く東麓線より西北の広大な地区に分布し、人工草場は主に東南部地区の耕地や林地と交差して分布している。 
 
 中国の放牧区は主に内蒙古であり、ここは中国最大の放牧区で三河馬・三河牛など有名な品種がある。新疆牧畜区で飼育されている優良家畜には新疆細毛羊・阿爾泰大尾羊・イリ馬などがあり、青海牧畜区では主にヤクや河曲馬が知られており、チベット牧畜区はヤクの主要産地である。
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