物流便利 何以为继

明治期の小倉には「伝便(でんびん)」という走り使いの仕事があったそうだ。辻辻に立って手紙や荷物を運ぶのを請け負い、鈴を鳴らしながら届ける。静かな雪の夜は「伝便の鈴の音がちりん、ちりん、ちりんと急調に聞(きこ)えるのである」と、森鴎外が小説『独身』で書いている。

 
据说在明治时期的小仓,有一种名为“伝便”的投送工作。他们身负送信或货物的约定,站在各个路口,一边摇着铃一边送递。在寂静的雪夜,“急促的投递铃声传来,叮铃铃,叮铃铃,叮铃铃……。”森鸥外在小说《独身》中如此写道。
 
郵便と違って、その日のうちに届くのが便利だったようだ。時は流れて、品物を注文し、当日の夕方に受け取れるのが当たり前になりつつある現代である
 
与邮递不同,当日送达似乎是非常便利的。岁月变迁时至今日,当日下订单后傍晚收到货物正日益变得理所当然。
 
もっとも伝便の昔と異なり、便利さがどう支えられているのかが見えにくい時代かもしれない。インターネット通販のあまりの普及にヤマト運輸の現場が疲弊しているという報道に触れ、日々のスマホでの買い物を振り返った。
 
与往日的“伝便”已是天壤之别,在当下这个时代似乎很难看到这一“便利”是如何实现的。我看到有报道称由于网络购物过度发展,大和运输的送货现场的工作人员不堪重负,疲于奔命,我不禁回顾了每天用手机购买的商品。
 
ヤマトの労組は春闘で、運ぶ荷物の量を抑えてほしいと求めており、会社側も協議に応じるという。賃上げでなく荷物減らしの異例の要求である。人手不足も背景にあるようで「このままいくと日本の物流はパンクしかねない」との労組関係者の言葉が重い。
 
大和公司的工会在春季抗议中提出希望削减货物量的要求,公司方面似乎也提出了相应的协议。不要求涨工资而是要求削减货物量,这样的事情还真是少见。在人手不足这一大背景下,工会相关负责人郑重提出“这样发展下去,日本的物流或许会陷入瘫痪。”
 
ネット依存社会はすなわち物流への依存を強める社会である。折しも「明日来る」が社名の由来である通販会社アスクルの物流倉庫で火災が起きた。消火に手間取ったのは、窓の少ない巨大倉庫ゆえである。ここに限らず、工場跡地から物流拠点への転換がじわじわと進んでいる。
 
依赖网络的社会,换而言之也是对物流的依赖日益提高的社会。也正是在这个时候,发生了ASUKURU销售公司物流仓库起火事件,该公司的名字来源于“明日来る”(明日送达)。之所以救火耗时,是因为事发仓库非常巨大且窗户很少。不仅是这处,工厂旧址变为物流据点已经成为一种趋势。
 
便利さを求めるとき、それに見合うだけのコストを払っているのかも考えてみたい。どこかで誰かに無理をかけるような仕組みは、いずれ行き詰まる。
 
在寻求便利的同时,希望我们能考虑下是否能支付与此匹配的代价。这种让特定地点、特定人群陷入困境的做法,终有一天会走进死胡同。
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