エジプト政府は、ドイツの博物館が所蔵している古代エジプトの王妃「ネフェルティティ」の像について、植民地時代に不当に持ち出されたものだとして、返還するよう正式に申し入れました。エジプト政府が、ドイツ側に返還を正式に申し入れたのは、今回が初めてです。

　　この像は、「古代エジプトの三大美女」の１人に挙げられる紀元前１４世紀の王妃、ネフェルティティの胸像で、１９１２年にドイツ人考古学者によって発掘され、現在、ベルリンにある博物館が所蔵しています。これについて博物館を管轄している財団は２４日、エジプトの考古最高評議会が「ネフェルティティの像は、植民地時代に不当に持ち出されたものだ」として、返還するよう求める書簡をこのほど送ってきたことを明らかにしました。ネフェルティティの像を巡っては、ドイツ側が、発掘費用を負担する代わりにエジプト側との合意のもとで運び出したものだとしているのに対し、エジプト政府は、王妃の像ではないと偽って持ち出されたと主張しています。エジプト政府が、ドイツ側に書簡を送ってネフェルティティの像の返還を正式に申し入れたのは、今回が初めてで、ドイツ文化省の担当者は、ＮＨＫの取材に対し、「書簡を見ていないので、答えられない」と話しています。