「娘のお祈り」

「よちよち、愛おしい~愛おしい~」

そう言いながら、毎晩、娘の背中をさすりながら寝かしつける。
安心するのか、娘はいつの間にか寝息をたてる。
そうしてかれこれ3年が経った。
今年から保育園に入園して、娘ももう3才になったのだ。
私もママ3年生だが、母親として進級できる資格を得ただろうか…
ときには、イライラして感情のまま娘を叱ってしまったり、
娘との約束を忘れてしまったり…
あげくの果てには、「今日はママのご飯より保育園のご飯の方が
美味しかった!」と言われ、手抜き料理がバレバレになってしまったり。
何か母親落第生だな…「よちよち、ごめんね、ごめんね、こんなママで」
と心の中でつぶやきながら、背中をさすっている晩もある。
 
ある日、いつもの様に「ママ、背中よちよちしてえ」とせがまれた。
さすりながら「よちよち、そうだアンちゃんはいつも神様にお祈り
してるんだよね。(娘はミッション系の保育園に通っている)ママもお祈りしよう!
神様、お願いです。どうかアンちゃんが幸せになりますように…よちよち…」
すると「ママのことはお祈りしないの?」と娘。
「ママのことはいいんだよ、アンちゃんが幸せになれば。」
私がそういうと、「じゃ、わたしがママのことお祈りしてあげる!神様!
どうかどうか、えっと…えっと、ママが幸せに…あの…なる!」
 
娘の祈りは、すぐ神様に届いた!
そんなこと言えるようになったあなたをママは誇りに思うよ。
とーっても、し ・あ・ わ ・せ!
 
神様ひとつだけ私自身のお願いきいて…
「娘の母親として、どうか進級させてください」
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