『論語』の為政篇-14

[白文]14.子曰、君子周而不比、小人比而不周。

 
[書き下し文]子曰く、君子は周しみて(したしみて)比らず(おもねらず)、小人(しょうじん)は比りて周しまず。
 
[口語訳]先生(孔子)がこうおっしゃった。『君子は、人々と広く親しむが、おもねらない(馴れ合わない)。徳のない小人は、馴れ合いはするが、広く親しむことがない。』 
 
[解説]有徳の君子の交友関係のあり方を孔子が述べたものだが、君子は幅広い人たちと真情から親しみ合うが、特定の人たちだけを優遇するような「なれあい」の交遊は好まないのである。君子は、利害関係に基づいた「おもねり(なれあい)」の交友関係を持たず、天下国家の利益(秩序)に貢献する忠義に基づいた「親愛の情」によって結びついている。反対に、徳がなく私心の強い小人は、お互いの利益を図るための交遊を求め、おもねりや媚びへつらいに満ちたものとされている。
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