第二十章:民間美術~泥人形(三)

 中国中部にある河南省浚県の泥人形の発展と伝統は、この地の民俗に深く根ざしています。ここの泥人形は一般的に「泥咕咕」と「唧唧咕咕」、「咕咕鶏児」と呼ばれています。毎年、農暦の正月、15日の松の内と7月15日の中元には、浚県の廟で大量の泥人形が売られます。これらを買い求めるのは、結婚後、子宝に恵まれない女性や、子供や孫がたくさん欲しい婦人たちです。 

 
 俊県の泥人形は、主に手びねりで、箸を使って彫刻した後、色付けです。一般的には窯で、黒や深緑、あるいは赤で下色を付けます。それから、バラ色、黄色、緑、白で模様を描いていきます。その色彩は素朴ながら、奥が深く、種類がとても多いのです。 
 
 模様は、民間伝説の中の「八仙之韓湘子」、「張果老」、「漢鐘離人」などの人物があり、それは活き活きとし、可愛らしいものです。特に「張果老」がロバに乗った人形は、色彩が素朴ながらも色鮮やかです。「八仙」には実に多くの材料が使われ、形や作り方も様々です。職人の気質、志向、美への追求が表現されています。この「八仙」は仙人の様相はしておらず、農民、村民に似せているところが面白いとされています。
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