『論語』の衛霊公篇-13

[白文]13.子曰、已矣乎、吾未見好徳如好色者也、 

 
[書き下し文]子曰く、已んぬるかな、吾未だ徳を好むこと色を好むが如くする者を見ざるなり。 
 
[口語訳]先生が言われた。『どうしようもないな。私はまだ、美人を愛するほどに徳を愛するという人を見たことがない。』 
 
[解説]孔子が、現実世界において仁徳や礼節を愛する人間が少ないことを慨嘆した言葉である。人間にとって性的欲望はおよそ根源的なものなので、誘惑的な魅力をたたえた『美人』であれば誰もが愛するが、禁欲的な道義や仁愛を必要とする『徳』を愛せる人はやはり少ないのである。 
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