『論語』の為政篇-10

[白文]10.子曰、視其所以、観其所由、察其所安、人焉捜哉、人焉捜哉。(「捜」の正しい漢字は表記できないが、「てへん」の代わりに「まだれ」にしたものである)

 
[書き下し文]子曰く、その以す所(なすところ)を視(み)、その由る所(よるところ)を観(み)、その安んずる所を察すれば、人焉んぞ捜さんや(かくさんや)、人焉んぞ捜さんや。
 
[口語訳]先生(孔子)がこうおっしゃった。『その人の行動を見て、その人の行動の由来(原因)を観察し、その人の行動を支える信念(思想)を推察するならば、人間はどうやって自分の人柄を隠し通せるだろうか、人間はどうやって自分の人柄を隠し通せるだろうか。いや、隠しおおせることなどできないだろう。』 
 
[解説]人間の本質や人格を見極めるにはどうすれば良いのかを孔子が説いた篇であり、『相手の行動・行動の原因・行動を支える信念』を観察して推察すれば、どのような人間であっても自分の本性を隠しおおせることが出来ないというものである。
分享到:
赞(0)