『論語』の八イツ篇-04

[白文]4.林放問礼之本、子曰、大哉問、礼与其奢也寧倹、喪与其易也寧戚。

 
[書き下し文]林放(りんぽう)、礼の本(もと)を問う。子曰く、大なるかな問いや。礼は其の奢らん(おごらん)よりは寧ろ(むしろ)倹やか(つつましやか)にせよ。喪は其の易か(おろそか)ならんよりは寧ろ戚ましく(いたましく)せよ。
 
[口語訳]林放が礼の根本を問うた。先生が言われた。『その問いは大きなものである。礼は物事を贅沢にして驕るのではなく、質素にして倹約せよ。喪(葬式)は滞りなく淡々と行うのではなく、(多少整っていない部分があっても)哀悼の感情を捧げるようにせよ。』 
 
[解説]孔子が魯人の林放に礼の根本について語ったものである。礼の本質は、華美や贅沢ではなく慎ましやかな謙譲と倹約にあり、葬式(喪)の本質は、準備万端整えたスムーズな葬式にあるのではなく、故人を静かに忍び本心からの悲哀の念を捧げることにあるとした。
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